ずいぶん前からなんとなく思ってたんですけど、人間の生命力の源ってなにか?って考えると、それは「怨讐」つまり「誰か(何か)を怨み報復を誓う力」なんじゃないかという気がします。激しい怨念から来る復讐心、その心の裡に沸々と燃えるエネルギーこそが生命力、人の生きる活力なんじゃないかな、と。「怒り」とはまたちょっと違いますね。怒りは瞬発的なパワーはありますが、持続力は無い気がします。やはり悶々と渦巻く「怨念と復讐心」これに勝る活力は無いんじゃないかと思います。
ずいぶんマイナスというか後ろ向きなエネルギーだと感じるかも知れませんが(笑)、なにかプラス指向の前向きなエネルギーって保たない気がするんですよね。順調な時はいいですが、ちょっとつまずくと踏ん張りが効かないというか・・・。
よく、テレビや雑誌で名の売れた文化人やタレントなんかが自分語りで、ペーペーの頃や売れない頃、先輩や上司にこんな酷い仕打ちを受けたとか、バカにされた的な事を言ったりしてますが、あれも怨みの吐露と密かな復讐だなあ、と思います。おい、見てるか?ざまあみろ!と暗に言ってるんじゃないでしょうかね?熾烈な競争に勝ち、名を成す事が出来る人ってのは、多かれ少なかれ、そういう怨みがましいところがあるんじゃないかと思います。
歳をとると、生命力が落ちてきたなあと感じますが、やはりこの怨みと復讐心が薄れていってる気がします。そりゃ、今でも何か理不尽な事をされたり、言われたりしたらもちろん腹は立ちますが、怨むとか復讐に燃える、なんて事は無くなってきましたね。どこか諦念というか、結局はそういう事態を生んだ自分も悪いんじゃ、とか自省する部分もあったりして・・・。そういう発想って一見前向きに見えて、全然前を向いてない気がしますね。
やはり、ちーっくしょう!とか、今に見てろよ、このこのこの!というような腹の底の感情が人間に何かを成させる巨大なエネルギーになり得るんじゃないかな、と思います。だから、若い人がいっぱい怒られたりバカにされたりしてギリギリ(歯ぎしりですね)してたりすると、ああ、生命力があるなあ、と懐かしかったり羨ましかったりします。
ん?でも、最近は若者でもあんまりギリギリしてる人を見ないようでもあります。うーん、やはり全体的に生命力が落ちてるのかもしれません。若者に自殺が多いとか毎年話題になりますが、けっこう関係あるんじゃないかと思います。いつか怨みを晴らしてやるぞ、と歯噛みしてる人間は自殺しません。
怨念と復讐心、今はどっちかっつーと日本の若者より近隣の国の若者の方が強そうでちょっと心配であります。これもきっと国力に繋がっているものでしょうから、我が国の若者にも多いに怨んで憎んで復讐に燃える健全なる青春を送って欲しいもんですが。