パソコンにundo(アンドゥ)という操作があります。いわゆる今やった操作を取り消すという編集操作です。私が使ってるMacの世界だとキーはCommand+Zってやつですね。Windowsではctrl+Zですかね?
コンピュータでイラストを描くようになって十年くらいですか、この操作ってものすごく便利なんですよね。ちょっと、書き損じてもすぐにundoで取り消してやり直し。ソフトによりますが、undoの戻る段階数が何十にも設定されてるやつなんか多少、しくじってもポンポンポンと、キータッチで戻れてやり直せる。
ちょっとミスって、すぐundo、試しに描いて、すぐundo・・・すっかりundo癖がついてしまいました。
アナログ時代は書き損じたらもう終わりでした。ビリッと紙破くか、なんとか持ち直すためにちくちく修正したり、他の部分でカバーするとか・・・。
今ではあの時は大変だったなあ、なんて漫然と思いますが、考えてみれば今より製作に緊張感があったのではないかと思います。製作過程のあちこちに「決断」のようなものが必要でしたし、一手先、二手先の「予測」がとても重要でした。今はundoのおかげでそういうものがものすごく弱まってる気がします。
周りを見回してみると、私と同じようにundoばかりやってる人がいます。この業界ばかりでなく社会全体にも。間違っても、undoすりゃいいじゃん!とばかりに。よく言えば大胆、悪く言えば何も考えてない人の多いこと。しかし「決断」や「予測」なしに平々と生きられる世界なんて基本的にあり得ないわけで。だから、本当にそれらが必要な場面がやってきた時にエライことになるわけで。取り消そうにも取り消せないことって社会には沢山あるわけで・・・。
undo癖って、ちょっと危険だなあと思う今日この頃です。