これは宮崎日日新聞社の情報誌「らぴあ」の中の連載特集のカットですね。
私はここでは、こういうカットを「ミニカット」と呼んで分類しています。華々しく広告のトップや、本、雑誌の表紙を飾るようなインパクトのある、個性的なイラストではないけれど、分かり易く内容の補足をするという役割を持って、様々なテーマにも対応できる、汎用性の高いイラスト・カットを指しています。
こういうのを、つい「捨てカット」と表現してしまう時がありますが、それは失言で、質の高いミニカットが入っている記事や広告は読み易く、レイアウトもぐっと締まって見えるものです。また、限られたスペースで多くのことを説明したり、絵にし辛いモチーフもあえて描かなければならないケースが多く、描き手にも相応の技術や経験が必要になります。
私の仕事の中でも、この手のカットは需要も高くて過去にも相当数描いていると思うのですが、やはり難しく、未だに良く描けたなあ、と言える仕事はほとんどありませんね。
たまに巷で、おっ、というような良い雰囲気のミニカットを見つけると、嬉しくもあり、悔しくもあります。